女性医師によるトータルケア
当院では女性をトータルにケアできることを目標としております。
そのため、月経困難症、緊急避妊、更年期障害に対する治療にも対応できるようにしております。必要あれば連携先の婦人科に紹介させていただくこともあります。
~当院のサポート体制~
- 月経困難症や緊急避妊には低用量ピル
→更年期様の症状に低用量ピルは注意が必要で、閉経後は基本的にはホルモン補充量法が適応されます。 - オンライン処方もできます。
- 乳がんのリスクを考慮した上でサポートをしていきます。
更年期の低用量ピル服用には注意が必要です。低用量ピルは更年期障害のような症状を緩和することもありますが、それを目的で低用量ピルを使い続けることにはリスクもあり、自己判断で内服している場合は控えましょう。
特に40歳以上は血栓症や心筋梗塞などのリスクが高まり、体質や持病によっては低用量ピルの服用ができなくなることもあります。一度内服を中止し、閉経しているか検査(採血と症状)を受けましょう。閉経していれば低用量ピルを服用することは原則できなくなり、更年期障害のような症状がある場合は、ホルモン補充療法への移行が検討されます。ただし、基本的には乳がんの既往がある場合は原則控えていただいております。まずは医師に相談してみてください。
ピルについて
※外来は準備中となります
ピルとは
ピルは、女性ホルモンである卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2種類が含まれた錠剤です。
女性は子宮の働きとして周期的な排卵があります。ピルを服用することで、排卵を制御することが可能です。
ピルには、含まれる卵胞ホルモンの量によって以下の3種類があります。
- 低用量ピル
- 極低用量ピル
- 中用量ピル
ピル処方の考え方
ピルの処方目的
避妊
低用量ピル(OC)は主に避妊を目的として使用されます。
ただし、低容量ピルの処方は保険外診療となります。
緊急避妊
望まない妊娠を防止するための手段として、避妊具を使用しなかった場合、または避妊に失敗した場合に使用されるピルを、緊急避妊ピル(EC:Emergency Contraception)と呼び、アフターピルとも呼ばれます。緊急避妊ピルの処方は保険外診療となります。
月経移動
旅行やスポーツ、受験など、月経と重なって困るような特別な予定がある場合、低容量ピルが月経のタイミングを調整するために使用されます。低容量ピルを使うことで、生理を早めたり遅らせたりして、予定と月経が重ならないようにすることができます。
ただし、低容量ピルの処方は保険外診療となります。
治療と予防
月経困難症や子宮内膜症などの症状を治療したり予防したりするために使用されるピルは、LEPと呼ばれます。LEPの処方には保険が適用されます。
ピル処方の注意点
副作用について
ピルによる身体の不調
- 吐き気や嘔吐
- 気分が優れない
- 頭痛
- 性器からの不正出血が起こる
- 乳房が張って痛い
ピルを内服することで、上記のような症状が出やすくなる患者様がいらっしゃいます。
特に、ピルを使用するのが初めての方は、副作用が出やすい傾向にあるので注意する必要があります。
ただし、副作用の症状は、継続的に服用することで次第に軽減されることがほとんどです。
それでも症状が重い場合は、早めに医師にご相談頂くことをお勧めします。
血栓症のリスク
管中で血液が凝固し、循環障害を引き起こす状態を血栓症と呼びます。
ピルを服用している方は、一般的な方と比較して、「血栓症」にかかる可能性が高いとされています。
血栓症は時に以下のような疾患の発症原因となる場合がございます。
- 脳梗塞
- 肺塞栓
- 心筋梗塞
- 下肢の静脈血栓症
もし、以下のような症状が現れた場合は、使用を止め、速やかに受診してください。
- 胸部の激しい痛み
- 息切れや息苦しさ
- 目の霞み、めまい
- 激しい腹痛や頭痛
- ふくらはぎの痛み・むくみ・手足のしびれ
もちろん、ピルを服用する方が必ずしも血栓症を発症するわけではありません。
まずは、正しい使用方法を遵守することが大切です。
患者様へ
大切なのはメリットとデメリットしっかり理解すること
ピルは、女性にとって多くのメリットをもたらすお薬ですが、そのメリットを得るためには「正しく使用する」ということが重要で、ピルの使用方法や服用量、また副作用の可能性など、基本的な知識を理解し、適切に使用することが大切です。正しく使用することで、女性の身体を守る重要な役割を果たすことができます。
生理不順や生理痛などにも有効
『ピルは避妊のためのお薬』という印象を持たれている方が多いですが、生理不順(月経不順)や生理痛(月経痛)など、女性が抱える様々な身体に関する問題の解決策としても効果があります。
ワクチン接種
当院の予防接種
当院では、インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチン、帯状疱疹ワクチン、子宮頸がんワクチンなど、様々な予防接種を実施しております。
予防接種を希望される方は、事前に当院へお問い合わせ頂き、ご予約のうえご来院ください。
また、インフルエンザワクチンに関しましては、予防接種の時期が近づきましたら、当院のウェブサイトの「お知らせ」ページでお知らせいたします。
インフルエンザワクチン
インフルエンザには複数のタイプが存在します。毎年異なるタイプが流行するため、以前に予防接種を受けた場合でも、効果が保証されるわけではありません。
インフルエンザが流行するのは、例年12月からで、翌年の1月から3月にかけてピークを迎えます。インフルエンザワクチンの効果は、接種後2週間から5ヶ月程度続くとされていますが、抗体ができるまでに1~2週間ほどかかります。したがって、インフルエンザの流行期の2週間前くらいの11月半ばまでに接種することが望ましいです。
肺炎球菌ワクチン
肺炎は、様々な細菌やウイルスが原因となって発症する病気ですが、その中でも最も多い原因菌は肺炎球菌です。
成人の肺炎の2〜4割が肺炎球菌によるものとされています。
特に高齢者の肺炎は、死亡率が非常に高いことで大きな問題となっており、肺炎による死亡者の97%以上が65歳以上の高齢者です。
このような肺炎を予防するためには、肺炎球菌ワクチンの接種が重要です。
また、インフルエンザに感染すると免疫力が低下し、肺炎などの合併症を引き起こす可能性があります。そのため、肺炎球菌ワクチンだけでなく、インフルエンザワクチンも併せて接種することが推奨されています。
帯状疱疹ワクチン
50歳以上の方に2カ月間隔で2回接種します。
帯状疱疹とは、水膨れを伴う赤い発疹が体の左右どちらか、帯状に出る皮膚の疾患です。強い痛みを伴うことが多く、症状は3~4週続き、治癒しても約2割の方には帯状疱疹後神経痛と呼ばれる痛みが残ることがあります。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が50歳以上の成人での帯状疱疹の発症リスクを高める可能性があることも報告されています。(Bhavsar A. et al.)
当院で採用しているワクチンはシングリックスになります。
2020年に認可され、2か月間隔で2回接種(合計2本)が必要ですが、予防効果が90%以上と高く、効果の持続も9年後の時点でも確認されて長いため、弱毒生水痘ワクチンより好んで使用されます。乳がん治療中など生ワクチンを接種できない免疫抑制状態の方でも接種可能です。ただ、注射部位の痛み・発赤・腫れや、全身の筋肉痛・倦怠感などの副反応がでることがありますが、高齢者への推奨ワクチンとなっています。
接種費用は1回21,000円、(2回接種で42,000円)です。
子宮頸がんワクチン
子宮の入り口である「子宮頸部」に発生するがんのことを子宮頸がんと言い、発症年齢のピークは30代後半とされています。当院では、子宮頸がんワクチン「ガーダシル」を使用しており、このワクチンには子宮頸がんの原因となるHPV16型・18型の予防効果があります。それ以外にも、ウイルス性性感染症の一種である尖圭コンジローマの原因となるHPV6型・11型の予防にも有効です。子宮頸がんは比較的若い年代でも発症することが多いため、早めの予防接種をお勧めします。
担当医師のご紹介
副院長:魚森 香織
この度、女性をトータルにケアする一翼を担わせていただくことになりました。
私は大学病院をはじめとした様々な病院で研鑽に励み、多くの女性の悩みに接してきました。働き盛りや子育て世代がかかりやすい乳がんだからこそ、それぞれのライフスタイルに合ったサポートができないかを考え、心に寄り添う診療を心がけています。
いつもと違う気になる症状がある方、女性ならではの症状でお困りの方、どうぞお気軽にご相談ください。
経歴
2006年 | 東京女子医科大学医学部卒業 |
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2006年 | 順天堂大学医学部附属順天堂医院にて研修 |
2008年 | 順天堂大学 膠原病内科入局 |
資格
- 医学博士
- 日本内科学会 認定内科医
- 日本リウマチ学会 リウマチ専門医・指導医
所属学会
- 日本内科学会 正会員
- 日本リウマチ学会 正会員
- 日本アレルギー学会 正会員
- 日本抗加齢医学会 正会員