乳房の石灰化

石灰化について

マンモマンモグラフィを受けた方の中には「石灰化が見られます」と言われた経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。石灰化は、治療・経過観察も不要な良性のものであると判断できるものと、良性なのか悪性なのか鑑別が必要となる石灰化があります。鑑別が必要な石灰化の場合には、経過観察が必要になるケースやMRIや組織診断での精密検査が必要になることもあります。石灰化に自覚症状はなく、自分で見つけられるものではありません。ですから、マンモグラフィ検査が石灰化の発見には大切です。

石灰化する原因

石灰化は原因とできる部位により3つに分類されます。

分泌型

乳管内にある分泌液が結晶化しそれに伴い石灰化が起こります。この石灰化は乳腺症による良性の石灰化が多いですが、一部の非浸潤がんや増殖性病変の場合も分泌型の石灰化が生じる場合があり、良性か悪性を慎重に見極めることが必要です。

間質型

乳管の中以外に発生する石灰化です。例えば、線維腺腫という良性のしこりの経過が長くなり、しこりの間質が変化して石灰化が起こります。

壊死型

乳管内で壊死したがん細胞に石灰が沈着し、石灰化が生じます。このタイプは悪性であるとされます。石灰化の形や大きさが不規則であることが特徴として挙げられます。

石灰化は経過観察が
必要なケースも

マンモ石灰化のうち良性か悪性か鑑別が必要なもので、必ずしも悪性と判断することが難しい場合は経過観察とされます。具体的には例えば半年経過後にマンモグラフィ検査を再び行い、石灰化の増加が見られるか、石灰化一つ一つの形が変化していないかなどの確認を行います。

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